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ぐったりとしたソラの体をシャワーで流してやり、バスタオルで拭いて服を着せてやる。 ソラが発情したからとはいえ、無理はさせただろう。 仮にも病み上がりなのに何やってんだとは思うが、あのままだとソラも体が疼いて仕方なかっただろうし、自分で処理させるにしてもあの下手くそな弄り方じゃ中々イけなかっただろう。 早くイくと辛くなると言っていたのは、きっと施設では一度イったところでやめてもらえず、何度も絶頂していたからだろう。 疲れ切ったソラを抱きかかえて、優しくベッドに下ろした。 「……りと」 「平気か」 「うん、おしり、いれないの?」 あまりに普通に聞かれてため息を吐く。 ソラは顔も可愛いし、世間知らずだし、今後もこんな風に煽ってくるようでは困る。 「いれねーよ」 「どうして?」 「あんま聞くな。手出した俺が悪いんだよ。 無理させて悪かったな」 「……そうなの?りと、悪くないの」 ソラの中では、一切無理させられた感覚ではないことがうかがえる。 これまではただ痛めつけられるだけのセックスだったのだろう。 むしろ拍子抜けというような感じにも見える。 「良いから寝ろ」 毛布をかけて胸に手を当ててやれば、ソラの瞼がゆっくりと閉じて行く。 体力のないソラにとっては、射精は疲れる行為だ。 ふと目線を下げれば、自分の下半身がすっかり反応していて舌打ちを打つ。 脳内にはやたら官能的なソラの姿が焼きついていた。 トイレで自己処理をする時、できるだけソラのことは考えないように努めた。 ソラにも自分でする術を覚えてもらわないと困る。 出したくなるたびに手伝わされていては、俺もどうなってしまうか分からない。 つーか、いくらソラが発情したからって、俺が欲情するのはやっぱりおかしいよな……。 最近忙しくて抜いてなかったからだと言い聞かせ、事を済ませてトイレを出ると、その瞬間にドンという大きな音がした。 慌てて見に行くと、ソラがベッドから落ちている。 傷のある体で強く打ちつけられながら落ちたのだから、体が痛むだろう。 「何やってんだ」 寝たと思ったがまだだったのか、すぐに起きてしまったのか。 どちらにせよ寝ている時ソラはぴくりとも動かないから、きっと慌ててベッドを降りようとして失敗したのだろう。 「りと、いなかった」 ぎゅっと服を掴まれ、あれ、と思う。 その行動には感情が見える。 まるでいなくて不安だったとでも言っているようだ。 「トイレ行ってただけだ」 「……そうなの」 ソラが手を離して、這うように窓の前へ行く。 そのまま手をついていつものように外の景色を眺め出した。 俺がいないのが不安で、慌ててベッドから降りようとして落ちて、俺を見つけて安心した? 「お外、キラキラ」 そんなわけないか。 いつも通り無表情で外を眺めるソラの頭を撫でてやると、水を持って行って一口飲ませた。 しばらくするとソラの体がふらつき出し、横に座る。 眠る時気絶するみたいに後ろに倒れるから、支えてやらないと体を打ちつけてしまう。 手を出して支えてやろうと構えていると、ぽすん、と俺の肩にソラが寄りかかる。 もしかしたら俺のことなど認識しておらず、たまたまなのかもしれないけれど、こんなことは初めてだった。 「……ソラ、そうだよ。 そんな風にもう少し寄りかかって生きていいから」 控えめに寝息を立てるソラを抱きしめ、そのまま眠らせた。 その日ソラは、いつもよりも穏やかに、長く眠った。
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