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光芒。天使の梯子。
雲間から差し込む陽の光は天界の芒であり梯子であるらしい。あの梯子を昇って、きっと君は見たこともない景色を見るのだろう。クリスタルで輝く街路樹に見送られ、天使に手を引かれ、芒野原を歩いていく。思い出で満杯になった短い人生の器を大事に抱えて、君は天へ。
そっとカメラを構える。それは一瞬を切り取る魔法の道具。僕の初めての写真は、君の笑顔だったね。シャッターを切ったその一瞬には、光の中を飛ぶ一羽の鳥が悠々と翔んでいた。その鳥がそっと方向転換し、一鳴きしてまた、光へと吸い込まれていく。
「また逢いにくるね。雨上がりの光を辿って」
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