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とっておきのもの
雨上がりに僕は彼女の頭の上に傘をさした。
「もう雨あがってるよ」
僕はニヤリと笑う。
「良いから!」
僕は彼女にあるものを隠した。
とっておきのものを見せたくなかったからだ。
「なんで?」
彼女は僕の傘を避けた。
「あ……」
彼女は息をのんだ。
僕が隠したとっておきものとは、
雨上がりの空にできた大きな虹だ。
驚かせたくて、あえて隠した。
びっくりした後に頬を膨らませる。
怒った顔も見たかったんだ。
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