雨上がりの日常

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雨上がりの日常

 土砂降りだった雨が止んだ。周囲が静かになって、さっと光が差す。  空を見上げると、太陽に照らされて大きな虹が架かっていた。  鮮やかに輝く虹を見ていると泣きそうになる。先週、俺の膝の上から虹の橋を渡っていった飼い猫のことを思い出してしまうのだ。  あの子が家族になって、一緒に生きていた頃は毎日土砂降りの雨が降っているかの大騒ぎだった。でも、同じ傘に入ってあたためあってたのしい日々だった。  たのしい土砂降りの日々は終わり、雨上がりのように静かな日常は元通りのはずなのに少しさみしい。  あの子は今頃、虹の袂で遊んでいるのだろうか。おなかを空かせていないだろうか。  今日もいつものスーパーで、あの子の好物のささみを買う。
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