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委員会が終わり、俺は昇降口の前で佇んでいた。
雨が降るなんて聞いてねぇし…。
ここから駅までの間に雨を凌げる様な場所はない。ずぶ濡れ確定だ。
ずぶ濡れのまま電車に乗るとか最悪…。
ため息一つ。
走り出そうと意を決したその瞬間…
「待って、もうすぐ晴れるよ」
「…天気の子?」
声のした方を見ると、そこには俺より頭一つ分小さい女の子がいた。
「いや、違うし」
「これが止むとは思えないんだけど…」
「あと5分、待ってみて」
そう言って女の子は自分の折りたたみ傘をポンと開いて歩いて行ってしまった。
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