再会

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──パンッ、パンッ、パンッ 何度も何度も腰を打ち付けられ、割けた入り口の傷にピリッと鋭い痛みが走る。 カリが何度も内壁を刮げ、内臓を串刺しにするかの如く、何度も何度も深い場所を突き刺す。 「………っっ、!」 ……いた……い…… 息も上手く出来なくて……吐き気さえ、する…… 「………言えよ、さくらっ……!」 ……ジャラ…… 悲鳴の如く、ハイジが呻く。 「優しくしてやるから……」 「……」 ごめん…… ……ごめんね…… どんなに酷くされても 乱暴にされても ……やっぱり僕の全ては……竜一のもの、だから…… 「………ッ、!」 ……いま、何時だろう…… 雨音はすっかり消え、代わりに強風が吹き付け、カタカタと窓枠の揺れる音だけが聞こえていた。 「……」 ここに連れて来られてから……もう何度されたんだろう…… ベッドに俯せたまま、ゆっくりと瞬きをし……ぼんやりと思考を巡らせる。 プルルルル……プルルルル…… 乱暴に犯されて続ける最中。 ベッドサイドに置かれたハイジのスマホが光を放ち、震えながら鳴り響く。 それに手を伸ばし、ハイジが拾い上げる。 『……はい』 先程までとは違う、ドライな声色。 空気が一変し、ハイジの腰の動きが止まる。 『わかりました』 静かにそれだけ言うと、まだ果てていない怒張を僕から引き抜く。 そして何事も無かったかのように、緊迫した空気を放つハイジがベッドから降りる。 身体を埋めたままハイジの様子を覗き見れば、その表情から一切の感情が抜き取られているように見えた。 『……』 ボルトクリッパーで作業員の頭をフルスイングした、あの時と同じ眼──その変わり身の早さに、ただ驚くしか無かった。 シャワーも浴びずにスーツに着替え、手櫛で髪を搔き上げながらハーフアップにする。 黄金のプラスチック製品のように光る髪──それは、今のハイジに良く似合っている。 『……いい子、してろよ』 『……』 手首に嵌められる手錠。 首輪の中央にぶら下がる南京錠。 その南京錠とベルトを結ぶ、目の細かい鎖。 物理的に僕は……ハイジの所有物だ。 『行ってくる』 横になったままの僕に顔を近付け、触れるだけのキスを落とす。 だけどその瞳には、もう僕など映っていない。 濁った深い闇に包まれ、邪鬼を孕んだように目尻が鋭く尖っていく。 クッと持ち上がる口の片端。 まるでこれから始まる悪事を、楽しむかのように…… 「……」 何がハイジを、そうさせてしまったんだろう…… 瞬きの後、細く長い息を吐きながら……ゆっくりと瞼を閉じた。
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