EXep.「祝福(さいのう)」

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EXep.「祝福(さいのう)」

 この世界の人々はなにかしらの才能を持って産まれてくる。  それは戦闘に役立つものから日常に特化したものまで様々だ。  例えば、『料理を上手く作る才能』、『走っても疲れない才能』、そしてルクスのような『あらゆる魔法を扱える才能』など……。  ただしその『祝福(さいのう)』は一人ひとつまで。  二つ所持することは決してない。  そしてまた、ごく稀に『祝福(さいのう)』を持たないものもいる。この世界は『持つ者』と『持たざる者』に別れているのだ。    当然『持たない者』からすれば、生きづらい世界だ。  そんな世界でここに一人『持たざる者』がいる。    名をゼウス・マキナ。 『祝福(さいのう)』を持たない者。     人々はその者を『持たざる者』として迫害した。  ゼウスが住む町はゼウスを覗いて全員が『持つ者』だ。  そんな町で『持たざる者』のゼウスは周りから見れば、  当然異常者だ。    ゼウスは思う。   『この世界が嫌いだ』    ゼウスは願う。   『滅びろ』    ゼウスは誓う。   『許さない』     そしてゼウスは一人旅に出る。  アスフィやレイラ達と出会う時、ゼウスの運命は大きく変わる。     そしてゼウス・マキナは残酷な運命を歩むことになる。  それはまだ先の話ではあるが。
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