1.あなたと私は

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1.あなたと私は

「来てくれてありがとう、百合(ゆり)」  もともとそれほど肉がある人ではなかったけれど、久しぶりにあった従兄の守親(もりちか)は随分痩せていて、百合は愕然とした。  ちゃんと食べてるの、と言いかけて、それを言える立場にないことを思い出す。  だってこの人は……百合と、百合の家族にとっては憎い人の息子だから。  でも、それだけじゃない。  彼は……百合自身にとっては、誰にも代えられない人だ。
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