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「薬草マーケットの時に、前を通った薬草カフェを覚えてる?」 「っ! 覚えてます……っ!」  とても可愛らしい内装のカフェは、メニューも薬草尽くしで私も気になったので覚えている。こくこく、と首を縦に振るとレオナード様がにこりと笑う。 「一人だと入りにくいから、よかったらアイリーンに付き合ってもらえないかな?」 「そういうことならもちろん! 私も気になっていたので行ってみたいです」 「そうなんだ? 俺たち気が合うね」  まっすぐに見つめられると何だか落ち着かない気持ちになってしまい、手もとの薬草笛をキュッキュッと鳴らす。 「あっ、あの、今の音──っ!」  案内をお願いする鳴き声が出た気がして、レオナード様にパッと顔を向ける。 「──好きだよ」
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