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 十九歳になったあたしは、あの頃の幼稚だった自分よりほんの少しは成長できたのかな。  この心の痛みも、そのうち消える日が来るわ。上がらない雨なんてないんだから。  いくら梅雨だって、毎日休まず雨が降り続くわけじゃない。今日みたいな晴れ間もある。  ──あたしの中の雨も、もうすぐ上がる。そう、信じたい。  心の中で唱えながら空を見上げた。  雲間から差し込む光が、あたしの頬を優しく照らす。長い雨が過ぎ去ったあとみたいに、あたしの心も少しずつ晴れ渡って行く気がした。 「サワちゃん、久しぶりだよね。梅雨入ってからあんまり遊べなかったし」  カラオケボックスへ向かう途中、隣りを歩く朋加が声を掛けて来る。 「うん。もうすぐ梅雨も明けるし、どこでも呼んでよ」  新しい日々が始まることを感じながら、晴れやかな空の下であたしは未来への一歩を踏み出す。                               ~END~
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