詩「本懐」

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自分が高熱で苦しいとき、 妻はまるで悲しそうだった。 妻が熱を出して苦しんでいるとき、 おれはまったく苦しくもなく 人間の悲しさが分からなくなった。 ひとは、 どこまでも 内側に生きている。 そう思った、 その瞬間から おれはきっと妻よりも 少しだけ不幸になろうと ようやく愛の本質に 悲しみの底を知った。
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