皇帝奪還後、後日談から

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それからは一同脱出の為にルネから西向きに馬を走らせた。 馬は聖人騎士旅団(ヨハネス・ホーリッツ)が乗り付けていたであろう馬を各々が拝借している。 中央地域であり、軍事国家として名高いロンバルディア。 そこに帰るための陸路は一つだ。 南部地域で商業国家として成り立つオルフェリアが作った陸路。 その広大な道を徒歩なら4、5日かかる商業航路ーオルフェリア名物として五大陸を繋ぐ陸路として開拓された商人御用達の陸路ーも、馬なら2、3日で目的地に辿り着く。 しかも彼等は急いでいる。キカの故郷、オルフェリア。 そこは今、クーデターという渦中にある。 クーデターの原因は彼らが討った、人形師(ドールマスター)。 彼がを焚きつけた事に間違いはない。 問題は。 事態。 オルフェリアでは、秘匿扱いとされるキカ・ミクリアのはオルフェリアという大国家の関係上、として生きる道しか与えなかった。 そんな国でも、キカからすれば大切な祖国。 その愛する祖国が戦禍の渦中にある。 だから彼女は馬を走らせた。 、国に帰りたい気持ちを抑えることなんて、出来なかった。 だから彼らは急いでいた。 と言っても、先に帰る場所はオルフェリアではない。 中央地域であり、周囲を4つの大国家に囲まれながらも、その軍事力の威光は劣ることを知らない。 中央地域、であり軍事国家でもある、ロンバルディア。 その都、エルディナ。そこに中央国家皇帝、ネルキメデス・ロレンツィオの居城兼主城が主人を待っている。 そしてアルザスでの戦闘でオーギュスト等が持ち込んだ物資も尽きそうなので、皇帝を送るついでに補給もしておこう、とオーギュストは皆に伝えたのだった。
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