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「うわぁ、寝台車なんて初めてだ~!」
滅多に旅行なんてしないせいか、僕のテンションはアゲアゲだ。
わざとなのかどうかはわからないけど、レトロな旅だから、特に楽しいんだよな。
ガタゴト揺れる汽車に揺られながら、車窓の景色に感動したり、美味しいお弁当を食べたり、三人でババ抜きをしたり…
本当に楽しい旅行だよ。
そのうちに、山が近くなり、長閑な畑の風景が続くようになり、何度か乗り換えもして…
「さて、やっと着いたぞ。」
降りた所はかなり鄙びた田舎の駅だった。
「あ、ここで~す!」
下駄郎さんが車に手を振る。
「お待たせしたかな。
松屋旅館の者です。」
人の良さそうなおじいさんが降りてきてそう言った。
「どうぞよろしくお願いします。」
僕達は車に乗り込んだ。
どうやら、今夜泊まる旅館の送迎みたいだ。
田舎の道を20分くらい進んだ所に、松屋旅館はあった。
これまたとってもレトロな旅館だ。
「いらっしゃい。」
おじいさんの連れあいと思われるおばあさんが、もてなしてくれた。
「よろしくお願いします。」
通されたのは、畳の間だ。
エリカ達の部屋とは、襖一枚で仕切られているだけだ。
なんだか、気を遣うシチュエーションだな。
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