新・赤い流れ星

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「このお刺身、美味しいね。」 「この揚げ物もなんかうまいよ。」 見た目はわりと地味だったけど、味は本当に美味しかった。 料理にはうるさいエリカも笑顔だ。 間違いなく美味しいってことだな。 素材が新鮮だっていうこともあるかもしれない。 お風呂もそんなに大きくはなかったけど、温泉だったらしく、なんだか肌がすべすべになった。 温泉なんてすごく久しぶりだな。 体の疲れが取れたような気がするよ。 エリカ達のおかげで、良い旅行をさせてもらった。 「明日は朝4時に出るからな。」 「えっ!?よ、4時?」 4時って、朝なのか夜中なのかよくわからないけど… でも、そんな早くになんで? 「河童はそのくらいの時間に散歩するみたいなんだ。」 「えーっ!か、河童~!?」 そうだ、僕は河童を探しに来たんだよ。 旅が楽し過ぎて、肝心なことを忘れていた。 人間に見つからないようにしようと思ったら、そりゃあ、そういう時間になるよな。 早起きは大変だけど、俄然、やる気は出てきたよ。 河童のことを考えたら、ワクワクしてとても眠れない。 そう思っていたけれど、いつの間にか僕はぐっすり眠ってた。
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