新・赤い流れ星

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* 「着きましたよ。」 早朝、松屋旅館のおじいさんが、僕らを山まで送ってくれた。 「ここをまーっすぐ進んだら、川に出ますからな。」 「ありがとうございました。」 「では、お気を付けて。」 話を聞くと、すぐみたいに思ったけど、なかなか川は現れなかった。 木々がたくさん立ち並び、まさに、森だ。 「ここは、通称『河童山』と呼ばれる山でな、河童の声を聞いたとか、姿を見たという話が良く聞かれる場所なんだ。」 「そ、そうなんですね。」 ついに、河童に会えるのか? ずっと憧れてた河童に… わくわくで、胸が弾けそうだ。 辺りは肌寒いくらいなのに、僕達は山歩きでうっすら汗をかいていて… 「あ、川だ!」 ようやく川がみつかった。 透き通ったとても綺麗な川だ。 「この川の周りが、一番目撃例が高いんだ。」 マ、マジっすか~? ついに、河童が見られるのか!? 「……あ、今、何か……」 エリカが小さな声を発した。 耳をすませると、川のせせらぎ以外に何か音がする。 ヒュンヒュンみたいな変わった音だ。 (……あ!) 確か、おばあちゃんが言ってたな。 河童はヒュンヒュンって鳴くって。 じゃあ、これって… 声の聞こえる方に目を凝らす。 い、いた!か、河童がいたよ!
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