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・・・ ・・・・ ・・・・・ 学校の帰り道、小学生くらいの子ども達が、ピシャピシャと楽しげに走りながら、陽葵を追い越していった。 あの子達って、青空や太陽を見たことなのよね。きっと、このグレーの風景が、あの子達の当たり前なんだわ。 私だって、いい加減、青い空も太陽の光も忘れつつあるもの。 そう。高校生の陽葵ですら、それらの存在を思い出せなくなるほど、もう何年も、雨が降り続いている。 高校生であれば、辛うじて、幼い頃に“晴れ”という天気を経験したくらいで、それ以降は、ずっと天気は雨だけだった。
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