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 拘束衣を脱がせてビニールバッグに入っていたTシャツを着せた。とりあえず部屋に上げたものの、約十七平米のワンルームではやはり狭い。タカラが玄関近くのユニットバスやらキッチンの前でキョロキョロし始めたので俺は「早く奥入って」と硬く締まった背中を押した。  タカラは窓際のびんぼリウムにすぐに気が付いた。駆け寄るとフローリングの床の上に正座をした。手を脚の間に挟み込みながら背中を丸めて小さな水槽を覗き込んだ。 「かわいいー」 「社長はもっとデカい水槽で熱帯魚とか飼ってたろ」 「この子達も可愛いよ。なにちゃん?」 「そっちの水槽がクロメダカ。もうひとつはミナミヌマエビ。どっちにも入ってる貝がヒメタニシ」 「へー」とタカラが何の躊躇いもなくクロメダカの水槽に指を突っ込んだ。「こらやめろ」と俺が言うとすぐに手を引っ込めて脚の間に挟む。俺はビニールバッグからタカラの着替えを出すと物置に適当なスペースを作り「着替えここに入れとくぞ」と言いながら服を突っ込んだ。タカラは「うん」と頷いた。
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