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 帰宅後、タカラを迎えにきたテンテン君はタカラの「タカラ、ゲンちゃんと一緒がいいなー」の一言に唖然としていた。「ゲン?」と呟き俺を見る。 「はだしの?」 「そっちのゲンじゃない」俺は答えてから「俺はどっちでもいいんだけどさ」と言った。「テンテン君の意見も聞いとこうと思って」 「これって僕はタカラとはだしのゲンの仲を引き裂くライバルポジションじゃないか?」 「だからそっちのゲンじゃないって」  テンテン君は「一旦研究所に戻る」と言ってアパートを出た。結局その日彼はこちらに戻ってくることはなく、俺は翌日普通に出勤した。岸は俺がお土産に買ってきた栗せんべいを囓りながら「バイオノイドとの旅行はどうだった?」と訊ねた。 「良かったよ。地方病は前から気になってたし」 「行き先がおまえらしいよな。富士五湖とか行かなかったのかよ」 「そういえば行かなかったな」俺は言いながらパソコンを弄りメールボックスを開いた。休暇の後なのでメールがかなり溜まっている。「あなた会社のパソコンでエロサイト見てオナニーしましたね、お金払えば許してあげます」的な文面の迷惑メールを削除しながら一通一通チェックしていくと生命研からzipファイルの添付されたメールが届いていた。差出人の名前は五十嵐天だ。
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