俺の生き様

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「信長様!」 「どうした?サルよ」 静かな部屋。 信長と、側に仕える木下藤吉郎のみ。 普段率いている、他の家来はいない。 よく通る声で、低く問いかける主人に、藤吉郎は笑いかける。 「面白い男が、下町にいるようです」 「面白い男とな?」 普段、下町の様子は分からない。 家来は往来を歩いているが、様子を語ることはなかったからだ。 「武家の者か?農民か?」 武家の者なら、役に立とう。 そう思っての問いだった。 農民は、戦力にならないと思っていたが、目の前の男は農民の出だ。 寒い日に、懐で信長の草履を温めていたことで、評価された。 「は。それが……どちらでもないようでして」 「どちらでもない?」 どういうことだ。 訝しがる主君に、藤吉郎は何と申し上げればいいか……と言葉に迷う。 「それが、着物からして全く違っておりまして。刀も持たず、見たことないものを色々持っていると」 「着物が違うと?」 「はい。西洋のものたちが着ていたものとよく似ておりますが……どうやら、西洋の者でもないようで」 「ふむ。不思議な話じゃ。その者に会えぬのか?」 「殿が望むのでしたら、如何様にも方法はございます。しかし、危険ではありませぬか?殿の命を狙う者かも知れませぬ」 それを聞いて、信長は笑う。 「斯様なことをした場合、わしが叩き切ってくれるわ。お前も分かっておろう?のう、サル」 「わざわざ殿の手を煩わせるまでもございません。私共が仕留めます故」 「言うようになったのう。……では、早速その男を呼び出せ」 「はっ!」
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