俺の生き様

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つけていたテレビが、あるニュースを報じた。 五日前に、男の射殺体が見つかった。 その男は、婦女暴行を何件もしており、更には銃刀法違反もしていた。 そういう、報道だった。 その男の写真が、うつる。 「あ……」 栗原美友は、それを見て言葉を失った。 自分を、傷つけた男だったからだ。 警察の調べにより、その遺体とは別の血液も残っていたという。 「……ゆう、くん……?」 違うかもしれない。 でも、彼がしたことだと確信があった。 何故かは分からないけれど、証拠もないけれど。 ただ、そう思った。 彼が、したことを彼の母から聞いていた。 自分のせいだと責めた。 彼が、死んでしまったのも。 『自分を責めないで。悠哉は、それを望んでいないわ。いつも、あなたの幸せを願っていたもの』 そう言われても、辛いだけだった。 彼と一緒に幸せになりたかった。 幸せにしたかったし、幸せにして欲しかった。 だけど、もうどうすることもできない。 「わたしは……不幸せだよ」 死ぬこと、なかったのに。 「最後は、ありがとうって言って欲しかったよ」 ごめん、なんて。 悲しいことば残していくなんて。 謝るのは……、わたしの方だよ。 「悠哉……」 ありがとう。 ごめんね。 強くなるから。 だから、いまだけ………泣かせて。
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