俺の生き様

美友。
どうしてるんだ？
目覚めてくれ。
君をこんな目に遭わせたやつは誰だ。
君が何故苦しい目に遭わないといけなかったんだ。
目が覚めたら、君は……
俺をどう思うだろう。
ひとの　命を奪う俺を。
だけど、分かって欲しい。
俺は、人を殺したくてこの世界に入ったわけじゃない。
俺は、人を傷つけたくてこの世界に入ったわけじゃない。
ただ、君が苦しい思いをしたのに逃げたヤツが憎いんだ。
ただ、君が傷ついたのにのうのうと生きているヤツが憎いんだ。
君のためなんて、言い訳を並べているように聞こえるかもしれない。
俺の自己満足かもしれない。
だけど………
アイツを血祭りにあげないと気が済まないんだ。
俺は………美友が好きだから。
許せないんだ。
他に方法があったのかもしれない。
わざわざ、仕事を辞めなくても。
危険を顧みずに、裏社会に入らなくても。
調べたり、協力者を見つけたり。
それで、済ませられれば良かったのかも。
だけど、アイツは真っ当に生きていたら見つからない。
裏社会に入らないと見つからない。
それに……、見つかったとしても法で裁きを受けさせたくなかったんだ。
法律は、加害者に優しくて被害者に厳しいから。
どんな極悪人でも、人として生きているならその人生を奪えないと。
被害者側が泣きを見るんだ。
真っ当な人間を傷つけておいて、逃げられるんだ。
相手が少年少女なら尚更だ。
俺は、美友を傷つけた男を直接見たわけじゃない。
聞き込みをして、カタギの人間じゃないことだけは掴んだ。
拳銃を持っているなんて、カタギの人間はなかなかいない。
日本は、銃社会じゃない。
拳銃を所持していたら捕まる。
それを擦り抜けて持っている時点で、真っ当でないことが分かる。
猟をする人間は銃を持っているだろうって言う人もいるかもしれない。
ただ、その人たちは警察に届けを出して厳重保管をしている。
まして、あんなに馬鹿でかい銃を持って、街中を彷徨っていたら即通報だ。
相手が持っていたのは小型銃だった、と聞いているし。
美友……、
俺はどうしたらいいんだろうな。
ここにいたら、仇も見つからないのに。
ここでの生活が、心地よく思えてしまうんだ。