雨上がり、僕はいつも涙。

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大好きな人がいた。 その人は高校の時の2つ先輩。 僕と同じ、陸上部だった。 先輩はいつだって眩しくて、皆の人気者で……。 僕はその他大勢と同じように、先輩に恋をした。 「君さ、もっと自分のことグイグイとアピールしてもいいと思うよ。どうして実力があるのに隠しているの? 目立たないの?」 それは、僕が陸上部に入ってすぐのことだった。 中学まで運動部には所属せず、体力もなくクラスでも目立たない存在だった僕。 そんな自分を変えたくて、僕は陸上部に入った。 高校から球技と言うのも敷居が高い。 『体力づくり』という名目で、僕は陸上部に入部した。 頑張って続ければ、体力がついていくかもしれない。 そう信じて、僕はひたすら練習に励み、黙々と走り続けた。 そんな僕のことを、先輩は見ていてくれたのだ。
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