3人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
それからも、先輩と『彼氏』は何度も僕の働く店に来た。
居心地が良かったのだろう。
ゆったりとした半個室、そして顔見知りの店員。
そういう店は、なんとなく常連感が出しやすい。
きっと、料理も二人の口に合ったのだろう。
1週間に1度のペースで、先輩と彼氏は食事に来た。
「お、この前休みだったよね。避けられたのかと思ったよ。」
「あぁ……先輩、いつ来るか分からないから……。」
「そうだよね。じゃぁ、今度から君に連絡してから来ようかな。連絡先、高校時代から変わった?」
「いいえ、変えてないです。」
「良かった~! じゃぁ、連絡するよ!」
彼氏の目の前で、僕とそんな話をする先輩。
しかし、彼氏はそんな様子など意に介していないようだった。
僕よりも立場が上だと思っているのだろうか。
そう思うと、少しだけイライラした。
その日の夜から、先輩から連絡が来た。
先輩と知り合ってから初めて、先輩とのやり取りが始まった。
最初のコメントを投稿しよう!