雨上がり、僕はいつも涙。

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それから、先輩は僕の出勤日を選んで彼氏と来店するようになった。 いつも楽しそうで、仲が良くて……。 こんな風に先輩と笑いあうことが出来たら、幸せなんだろうな、と彼氏を羨んだりもした。 そんな僕が、ずっと気になっていたのは、彼氏の左手薬指に光る指輪の存在だった。 先輩と婚約をしたのだろうか? それにしては、ずっと先輩の指には指輪を見たことがない。 もしかしたら、そう思っていても、そのことを先輩に聞いてしまったら、僕と先輩のメールでのやり取りが終わてしまうような気がした。 『先輩、付き合ってどのくらいになるんですか?』 『もうすぐ2年かな~』 『結婚は考えてるんですか?』 僕は、こんな風に回りくどい方法でしか、先輩のことを訊ねることが出来なかった。 それでも、分かってしまった。 『きっと、結婚は出来ないと思う。』 この一言で、先輩が既婚者と付き合っているということを。
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