雨上がり、僕はいつも涙。

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梅雨が始まったあたりから、先輩と彼氏の雰囲気が変わった。 以前は仲睦まじく店を利用していた二人。 しかしその頃、二人の間の会話が少しずつ減っていったのだ。 「あの二人、喧嘩でもしてるのかな?」 「喧嘩してたら、そもそも夕食一緒には来ないだろう。」 「じゃぁ……もう仲が冷めきった?」 「それはあるかもな。既婚者相手に、彼女さんが重くなっちゃったかな?」 店の仲間たちが、それぞれ思っていることを口に出す。 そんなやり取りを聞きながら僕は不快感を押さえるのに必死だった。 (先輩が……相手にそんな態度を取るわけがない。上手くいかなければ次の恋を探す、そんな人だったじゃないか。きっと……先輩は好きなんだ……。) 恋愛を楽しむ、そんなところが先輩にはあった。 もっとも、僕が知る限りの彼氏は二人だけだが、付き合う相手には、常に本気だった先輩。 惰性で付き合い続けることなど、きっとしない。 何故か僕はそう確信していた。
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