雨上がり、僕はいつも涙。

19/20

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「そんな、取ってつけたようなこと……。だって、最近まであなたは連絡くれなかったじゃない……。」 高校卒業から、僕は先輩に連絡をしなかった。しかし、その理由は先輩が嫌いになったからではない。 「僕とは違う異性が隣にいると思っていたら、連絡なんて出来ないですよ。悔しくて、悲しくておかしくなってしまう!」 僕だけの先輩だったら良かったのに。 ずっとそう思って今まで過ごしてきた。 高校時代に振られたときのように、梅雨時の雨上がりは、なぜか涙があふれてくる日も多かった。 「それでも、先輩が幸せなら、笑っていられるならいい、そう思ったんです。でも、今は違う。そんな先輩を見てるのは辛いし、僕なら……もっと先輩を幸せに出来る! 笑顔に出来る! 僕が知ってる、輝いてる先輩は、いつも笑ってたんだから! !」 ずっと、高校時代から言えなかった言葉を、ようやく言えた。 高校の時、確かに告白したが緊張のあまり大していい言葉が選べなかった。 でも、今回は伝えたかった。 自分には、先輩がいつだって輝いて見えているということを。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加