雨上がり、僕はいつも涙。

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先輩は、いつも僕には笑いかけてくれた。 僕も、たくさんの人と関わることで、そして少しずつ部活での記録が伸びるにつれて、自身をつけていった。 もしかしたら、先輩は僕のことが好きかもしれない。 そう思ったのは、梅雨も終わりかけの時期だった。 学校生活にも慣れ、五月病も乗り越え、夏休みに向けて心が浮かれてくるこの時期。 雨続きの毎日にうんざりはしていたが、そんなことよりも僕の気持ちは先輩に向いていた。 そして、もうすぐ7月になるある日、僕は先輩に告白をした。 「陸上部に入ってから、先輩に一目惚れしました。ずっと、先輩のことが好きです!」 元陰キャの僕にしては、かなり勇気を出した方だと思う。 先輩は、少し驚いた顔をして、苦笑いを浮かべた。 「君の気持ちは、本当に嬉しいよ。でもごめん。私……もう彼氏いるんだ。」
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