雨上がり、僕はいつも涙。

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先輩も驚いていたが、僕も驚いた。 そう、時間が止まったかと思うくらいに。 「この街にいたんだ……。なんだ、いるなら連絡くれても良かったのに~」 先輩は、昔と変わらない様子で、僕の顔を覗き込みながら苦笑いを浮かべた。 良い匂いがする。 髪の色も、少しだけ明るくなっていた。 化粧も、よく似合っている。 目の前に立つ女性は、すぐに先輩だと分かるほど変わらずに、ずっと女らしく変わっていた。 「僕も……知らなかったから。先輩がこの街にいるの……。」 あの時は、先輩に彼氏がいたから、連絡すると惨めだと思って連絡をあえてしなかった。 あれから3年、先輩はその時の彼氏とずっと仲良く付き合っていると思っていた。 「まぁ、いろいろあってね。」 「今日は、何名様ですか?」 「あ、2名。彼氏と来てる。」 僕の脳裏に浮かんだのは、あの日先輩が僕に見せたことの無い笑顔を向けていた、あの先輩だった。 「ごめん、お待たせ……。」 「遅いよ、もう……」 しかし、先輩の後から入ってきた『彼氏』は、僕が今まで見たこともない男性だった。
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