雨上がり、僕はいつも涙。

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「先輩、同級生の彼氏とは別れたんですね。」 僕は、少し先輩に意地悪を言った。 目の前の男性が、自分の知る先輩ではなことで、別れたことなど当たり前のことだったが、その言葉には抗議の気持ちも含まれていた。 「うん、卒業してすぐにね。性格の不一致だったよ。」 悪びれることなくそう答える先輩に、僕は苛立った。 僕は、こんなにも一途に先輩のことを思い続けていたのに……と。 もっとも、そんな感情は先輩にとってなんら関係ないことなのだが。 「キミは? 彼女出来た?」 「……いいえ。」 「そっか~。大学生になって、イイ男になったんだけどね~。きっとすぐに出来るよ。」 自分のことは対象には含まれていない、そんな口ぶりで笑って言う先輩。 「なぁ、そろそろ……。」 そんな先輩に声をかける、『今の彼氏』。 「あ~ごめん。お腹空いたよね。行こ! また後でゆっくり話そうね!」 先輩は僕に手を振ると、彼氏の手を引き半個室へと入って行った。 その時僕が見たもの、それは…… 彼氏の左手薬指に光る、結婚指輪だった。
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