僕の罪と君の記憶

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 父は雑誌を買っては僕にあれこれと聞くために電話をしてくる。それくらい、若者ファッションに夢中なのだ。  和也は開いた口がふさらがない、といった様子だ。  その魂が抜けたような表情を見て、僕は笑った。これほど愉快に笑ったのは久しぶりだった。キッチンにしゃがみ込んで、声の限り笑った。 「ええと、諒のご両親ってあの真面目な感じの人たちだよな?」 「そうだよ。真面目だった。僕を置いて田舎に引っ込んで、仕事と子育てから解放されて不良になったんだ」  和也は目を白黒させた。実の息子でさえ、父に会っても誰かわからないことがある。それくらい父は変わった。 「……別れるっていうの、撤回で」  和也のばつの悪そうな顔を見て、僕はまた噴き出した。
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