僕の罪と君の記憶

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 友達に頼んでデッサンをしたというには、あまりにも、その絵は美しかった。諒さんを美しく描く、という強い意志を持って描いたように見えた。  まつ毛、首の角度、それから髪の毛。  他のデッサンにはない、匂い立つような、魅力のある絵だった。  俺はすとん、と理解した。 「ああ、俺、諒さんのこと好きだったのかも」  それなら、この絵も納得だ。俺は諒さんを描いたスケッチブックを段ボールから出して、毎晩眺めた。  彼への気持ちを思い出せたことがうれしかった。スケッチブックの裏には『竹中教室』と書かれていた。  諒さんはどんな人なんだろうか。  俺はスマホのデータを探した。諒さんの写真はたくさん保存されていた。一番古いものは中学生らしい制服を着た諒さんで、最新の写真は隠し撮りのような諒さんだ。しかし、2人のメッセージはなかった。母親に聞いてみると、毎日電話していたはずだと言われた。しかし、電話番号は登録されていない。  今度諒さんに聞いてみたいと思ったが、何を理由に訪ねていけばいいのかわからない。
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