不義の澱

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 そこまで言うと、フェクスはアルスカの顎を掴んで、強引に唇を重ねた。 「ん……」  生娘でもあるまいし、いまさら怖がることなど何もないはずなのだが、それでもアルスカは怖かった。  それは、この行為によってフェクスの人生が変わってしまうからだ。アルスカは服を脱ぐ手を何度も止めそうになったが、そのたびに敏感なところを嘗められて、ぐずぐずとシーツに沈んでしまった。  フェクスは夢中でアルスカの乳首に吸い付いた。  かつて学生だったころ、いまよりずっと性欲が盛んだったフェクスには、この乳首を夢に見て射精した夜があった。フェクスは赤くなったそれを転がし、吸い上げ、執拗に舐った。  アルスカは身を捩り、だめだ、だめだと首は振るのだが、フェクスの体を押しのけることはできなかった。アルスカは己の業の深さを思い知った。  いま、彼はフェクスを欲している。そしてその気持ちは理性ではとめられないほどに膨れ上がり、性欲として花開いていた。 「ん……ああぁ、あっ……」
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