第二章 少女と罪

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「さっきもいったけど、この国は二年まえまでせんそうしていたの。はじまりはラーヴァとシュニエルのたいこくどうしのあらそいだったんだけど、さいごには世界じゅうにひろがったわ。この国──クーゲル王国のてきはおもにりんこくのキースとゼーバルシュ。ラーヴァとシュニエルのにらみあいは何十年もむかしからつづいてたけど、ほんかくてきなせんそうにはってんしたのは今から六年まえよ。四年つづいたせんそうだけど、もっともげきかしたのはさいごの一年ね」  相変わらずどこかおぼつかない口調ではあるが、戦争に関するアンネの語り口は理路整然として大人びていた。アルドスに与えられた知識なのかもしれない。
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