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ケントガランはたびたびレオルゴールを諫めたが、真の天才とは止まれと言われても止まれぬのである。ケントガランもそれをよく理解している。
結果として、実に2か月もの間、レオルゴールはそのような生活を送り、そしてついに彼の魔法は完成した。
深夜、レオルゴールは自らが書き上げた魔法陣を広げて悦に入っていた。
「ふふふ、ついに、ついに完成した!」
彼は『時を進める魔法』を完成させたのだ。
時魔法を使いこなしたと言われているのは、歴史上ただひとりである。その魔法使いも、過去へ戻る魔法を発明したのみで、未来へ行く魔法はついに完成しなかった。
レオルゴールはこの魔法を使って、未来を見るつもりだった。未来で自分が処刑されているか、それとも王子と婚約をしているのか、婚約しているならばどのようにしてケントガランを打ち破ったのか、いま彼を悩ましているすべての答えがそこにあるはずであった。
「やはり、俺は天才だ!」
この偉業はレオルゴールの失われかけていた自信を取り戻させた。
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