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15歳になったレオルゴールは思案していた。
ケントガランに第二王子との婚約の打診があったと小耳に挟んだのだ。
レオルゴールはケントガランをうまく手懐けたと満足していたが、手懐けるだけでは不十分であることをようやく思い出した。
レオルゴールの策を成功させるためには、ケントガランと王子の婚約を阻止しなければならないのだ。
ケントガランとの関係は良好であるが、王室からの婚約の打診を断れるほどかと尋ねられると、答えは否である。
ケントガランはレオルゴールがかつて思っていたよりも愛国心があり、国のために働く機会を棒に振るとは思えないのだ。
かといって、ここで魅了の魔法を使ってしまうとケントガランに警戒されてしまう。ケントガランの魔法の習得を何度か邪魔してみたが、天性の才能か、今世でもケントガランは神童と呼ばれるほどの実力者となっていた。
そうして答えの出ないまま次の策を考えていると、部屋の外から来訪を告げる声が聞こえた。
「レオルゴール、入ってもいいかい?」
「ああ」
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