6人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
レオルゴールが握手を求めて手を差し出すと、ケントガランはその手を掴んで引き寄せた。レオルゴールは体勢を崩してケントガランの膝に座る格好になった。
「何をするんだ!」
ケントガランは小型犬のように騒ぐレオルゴールを両腕で抱きしめた。
「……どこにも行かないか?」
耳元で囁かれ、レオルゴールはくすぐったさに首をすくめた。
「自分からは行かない」
レオルゴールの言葉は意味深長だ。ケントガランは不安になって、レオルゴールの頬を撫でた。
「いま、君のすべてがほしいと言ったら?」
「?」
純朴なレオルゴールは首を傾げた。ケントガランはすべてを察した。
「大丈夫だ、私にすべて任せてくれ」
そうして彼は噛みつくようにキスをした。
「ん……んぅ、あっ………あぁ……」
「どう? 痛くないかい?」
「いっ……うぅ……」
神聖な学び舎の敷地内になる寄宿舎で、青年たちは愛を交わしていた。といっても、それはまだ稚拙な行為だ。レオルゴールは初めて尻を男に差し出し、ケントガランの一物を半ばほどまで銜え込んだものの、痛みで汗をかいていた。しかし、痛いと口にすることは彼の矜持が許さない。
最初のコメントを投稿しよう!