意地っ張り魔法使い、X回目の人生でも臍を噛む

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 最初はレオルゴールの出身地の領主であった。レオルゴールは貴族の紋章をつけた馬車の前に飛び出て馬車を止めて、そこから御者、従者に魅了をかけて、そしてついに馬車の中にいた領主に辿り着いた。  何重にも魅了の魔法をかけて十分に支配した後、領主に養子縁組を強請り、領主の遠縁であった男爵家の養子となった。  そのあとは貴族が集まる学校の寄宿へ入った。  レオルゴールはそこで第二王子の存在を知った。  レオルゴールは歓喜した。この国は、妾腹の王子は男と婚姻を結び、結婚と同時に臣籍に下る。その目的は王位継承争いのもととなる王族の過度な増加を避けることと、有力な貴族の優秀な男子を取り込むことだ。  実際、現在の冢宰は国王の弟の配偶者である。  つまり、第二王子の配偶者となることができれば、レオルゴールも堂々と表舞台からこの国を救うことができる。  レオルゴールは第二王子に狙いを定め、世間を知らぬ王子はまんまとレオルゴールの術中にはまったのだった。
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