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第二王子とその側近たちは全員レオルゴールの犬となった。首尾上々であった。レオルゴールは己の遠謀深慮に酔いしれたほどだ。彼は王城の中心で裁決を下す自分の姿を夢見た。
しかし、その夢は第二王子の婚約者の反撃とともに露と消えた。
第二王子の婚約者――ケントガラン――は辺境伯の三男である。彼は神童と呼ばれ、レオルゴールの魅了が効かない唯一の存在であった。
レオルゴールの計画において、ケントガランは邪魔者である。なんとしても除かねばならない。
レオルゴールはケントガランを陥れるために仕掛けた断罪の場を思い出す。
「ケントガラン、お前との婚約は破棄する!」
王子はレオルゴールの讒言を信じ、ケントガランに婚約の破棄を言い渡した。それは学校の卒業祝賀会でのことであり、レオルゴールはほその場にいた者たちほとんど全員に魅了をかけていた。その者たちがケントガランを害せば、レオルゴールの地位は約束される。
――はずであった。
ケントガランはレオルゴールの陰謀をものともせずに胸を張った。
「全員が集まるこの機会を待っていた」
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