意地っ張り魔法使い、X回目の人生でも臍を噛む

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 レオルゴールの言葉は明らかな負け惜しみを含むものであった。しかし、事実でもある。レオルゴールはこの言葉によってケントガランに何らかの心境の変化があることを期待していたが、ケントガランの表情は仮面に隠されて、うかがい知ることはできなかった。  この時、レオルゴールは死を覚悟した。魔術は封じられ、抵抗する術はない。ここが天才であるレオルゴールの最期の場所となるのだ。  彼は瞳を閉じた。裁判所に引きずりだされて()()醜態を晒すくらいなら、ここで終わった方がいいと思った。  レオルゴールが目を瞑ると、何度も味わった渦が彼を襲った。  レオルゴールはその感覚をもはや数え切れぬほど味わった。そしてその波が引いた後に、どのような光景が広がっているのかも知っている。 *  レオルゴールは目を開けた。そこには彼の故郷の家の天井がある。簡素な寝台の脇には医者と、倒れた息子を心配する両親が――最後に会ったときよりも若い――がいる。  10歳のとき、レオルゴールが木から落ちて失神したことがあった。いま、彼は時の迷宮に引き込まれて、その時まで巻き戻されたのである。
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