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ここの宿場町はトリントン王国と同盟国で有るイリス王国と隣接していてキーツ辺境伯領が管理している町の一つでも有る。
「まさかこんな宿場町にご領主様のお孫様が・・・しかも山賊退治までして頂いたとは感謝感激です。」
そんな宿場町を纏めている初老の男性から頭を下げられているルーシーとスージーの困った顔を見ながらシホは宿場町総出の歓迎会によしよし・・・と腕を組んでいた。
「ホント・・・お前の計算高い所はリンさんにそっくりだよな・・・?」
ギルドからの報奨金が貰えない代わりにシホが提案したのは辺境伯で有るドラヴィスの孫で有る双子を傘に接待をさせる事だった・・・
「五月蝿いわね・・・ だけどルウとスウの名前も売れた事だし一石二鳥と思わないツキ?」
「うん・・・ツキも美味しいご飯が食べられて嬉しい・・・」
小さい身体ながらもお皿一杯の料理にツキから満足そうな顔が浮かぶと、そりゃぁ良かったな・・・とそんな二人にセイから苦笑いが浮んだ。
「あっ居た居た民さん・・・探したんですよ~?」
「シーラさんこそどこに・・・ってひょっとしてお酒飲んでます!?」
少しトロンとした顔で頬を赤くしている双子の侍女のシホが驚く声を上げると、そんな事ありませんよ~?と言って来るシーラが右手に持っているコップを奪い取ったセイが匂いを嗅いだ・・・
「うわ・・・結構強いなこのお酒!?」
「え~この町の男の人達からジュースだって渡されたんですけど・・・?」
そんなシーラの言葉にシホの母親がやっているカスケードでその匂いを知っているセイがチッと舌打ちすると、彼女の事を眼で追っていた男達に向かって
殺気を込めた目でツキが睨んだのだ。
「念のために今晩は俺とツキで警護に付くから先に休むな?」
そう言いながら先に戻ろうするセイにちょっと待って・・・!?とツキがお皿の上に乗っていた大量の食材をあっという間に完食するのを見てシーラからアレ・・・?と首を傾げられた・・・
「どうかしたんですか?」
そんな警戒心の無いシーラに向かってシホはえっと・・・と困った顔を浮かべたので有る。
そしてその翌日、無事に宿場町から出発したシーラからあの・・・と首を傾げられたシホは従魔で有るシロの背中からどうかしたの?と首を傾げた。
「いえ・・・何故か馬車の中で寝入ってるセイとツキさんが気になったので?」
「ああ・・・ちょっと訳が有ってね。悪いけどそのまま寝かせて置いてくれないかな。」
自分と同じで孤児のセイとツキはアサシンで有るケイを母に持つ・・・だが、まだ母親以上の気力が持たないの双子に感謝の意味でクスっと微笑んだシホは二人の代わりにスウとルウを乗せエリス王国の国境が有る関所へと向かったので有った。
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