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「さっきの店の品ぞろえはホントに良かったな・・・」
「ですわね。もう少しお金が貯まったら私とお兄様の剣を新調致しましょうか?」
そんなキーツ兄妹の話を聞きながら同じくシホの仲間でセイとツキの兄妹は不思議そうに首を傾げた。
「お前達って辺境伯の関係者じゃないのか?」
「シホの所と違って本当の貴族様だから簡単に買える筈・・・」
そう尋ねるセイにどさくさ紛れにツキが一代限りで有る騎士爵の父を持つシホをディスる中・・・何を言ってますの?と妹のスージーから呆れた顔を浮べたのだ・・・
「我がキーツ辺境伯領は自給自足が当たり前です。よってお父様やお母様からは1ギリーも頂いてませんわよ!」
「そうだったんだな・・・ちょっと見直したぜ。」
そう答えながらニカっと笑うセイにポッと顔を赤くしたルーシーが慌ててフン!と顔を背けるのを見て・・・シホはこれは良い!と自分の隣で興奮している双子の侍女で有るシーラに向かって苦笑いを浮かべた。
「スウがあんな事を言ってますけど・・・今後掛かる二人の支度金とか実は預かってませんか?」
「そっそうでした・・・一刻も早く銀行に行かないとっ!?」
やはりと言うか・・あの孫を溺愛しているドラヴィスを知っているシホが慌て出す彼女を見ながら何でシーラを双子の侍女にしたのか不思議そうにしていると・・・そうそうとシホは思い出した様にツキをジロと睨んだので有る・・・
「誰が貧乏な騎士爵の娘だって!!」
「・・・そこまではっきり言って無い。」
そう言いながら怒りだすシホにサッとツキが目を逸らしていると・・・着いたぞ!と呆れた顔をしたシホの従魔で有るシロがエリス王国の中でも一番大きいギルド組合の前でジロっと睨みだした。
『喧嘩してないでさっさと冒険者登録をして来なさい!』
そう叱る様にワウワウ!と吠えて来るシロに促されてギルドの中に入ったシホを除いた一行は溢れる冒険者の数に圧倒された。
「流石はこの大陸の中央にあるエリス王国って事だな・・・」
「いや辺境の我がイフスの町でもここまでは・・・」
そんなセイの言葉に違和感を感じたルーシーが思案顔を浮べるその隣でちょっとこれは変ね。と腕を組んだシホは自分のギルドカードを取り出しながら窓口の職員に見せた。
「悪いんだけど・・・ギルドマスターのガイルさんを呼んでくれない?」
そんなシホのギルドカードを見た女性職員からギョッとした顔が浮かぶと、すぐに呼んできます!と慌てて二階へと駆け上がって行くその女性職員を見送ったシーラからあの・・・?と首を傾げられたのだ・・・
「シホちゃんって・・・一体?」
「・・・まあ正義の味方って所ですかね。」
そう答えたシホが苦笑いを浮べていると・・・こちらへ!と呼んで来るギルド職員に行ってきますね?とそこまで詳しく知らないシーラに向かって手を振ったシホはここエリス王国で更に仲間となりたい人物が居る部屋をノックをしたので有る。
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