3人が本棚に入れています
本棚に追加
「フェリクス会長!ミイさんはどこに!?」
「私達だけじゃさばききれません!!」
そんな悲痛な顔を向けて来る他の生徒役員の声に生徒会長のフェリクス=アレクサンダーは妙に参加する者が少なかった自分の代の生徒会に頭を抱えていた・・・
(やはり・・・高位貴族の協力無く、学園の改革は難しい様ですわマリア様・・・)
そう内心独り言ちるフェリクスの下に・・・ただいまニャ!と自分の従者で今では自分の数少ない友人でも有る猫獣人のミイが誰かを連れて戻って来たので有る。
「お帰りなさい・・・って言うか!?」
そのミイが連れて来た黒髪の少女にフェリクスがギョッとした・・・
「えっと・・・お久しぶりです。フェリクス公爵令嬢・・・」
そんなシホに助っ人ニャ!とミイから満面の笑みを浮かべられたフェリクスはそうじゃな・・・と自分の頬に手を置きながら思案顔を浮かべた。
「取り合えずシホには受付をお願いするかのう・・・」
「ちょっと待って・・・手伝いするの確定なの!?」
そうギョッとするシホに良いバイトを見つけたな・・・と呟いたフェリクスは彼女の父が所属する騎士団を抱えるトリントン王国の中でも次期の王と呼ばれている第一王子のローレンスの婚約者でこのまま行けば王太子妃となる人物で有る。
「何を言っておる・・・私の物は私の物でお前の物も私のと言うで有ろう?」
「そんな独裁者的な言葉・・・どこで覚えたのよ!?」
まるでどこかのガキ大将みたいな事を言って来る次期王太子妃にお前も知ってる人じゃぞ?と笑われたシホが成程・・・と苦笑いを浮かべた。
「これがラストの受験生です!」
「どうやら凌ぎきったようじゃな・・・」
そう後輩に答えながらながらページをめくるフェリクスを手伝っていたシホはハッとしながら彼女に詰め寄った。
「ねえ・・・まだ私達の試験が済んで無いんだけどっ!!」
「そんな事は分かっておる・・・って言うか、お前達には学科試験を免除する様に通達が入っておるのだが・・・ホントに知らなかったのか?」
そんな申し訳無さそうな顔を向けるフェリクスに向かって唖然としたシホと違い後から手伝いに来たセイやツキに加え、ルウとスウは共に学科試験が無くなった事にホッとしたので有る。
ーーー
最初のコメントを投稿しよう!