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今から数百年前・・・世界は突如現れた魔族に対し対抗出来なくなると、勇者と名乗る強き力を持つ人物達を送り始めたので有る。
だが・・いく年月を過ぎ魔族は段々と勢力を衰退させていく・・その事に世界は魔族に対し勝利を宣言したのだが・・・実際には違うと知っている人物がここトリントン王国に住んでいた・・・
ーーー
「おはようシロ♪」
トリントン王国の王都下町には元Sランク冒険者がやっている有名な酒屋が有ると言うのは冒険者仲間の間でも有名で・・・その中でもこの美人なハーフエルフが一番の売りでも有る。
『おはようリン!今日のご飯は何何っ!!』
「今日は昨日の残り物スペシャルよ。」
因みにここCASCADEでは魔物の肉を提供する事でも有名で今日もブンブンと尻尾を振るシロの朝ご飯にリンがドッグフードに混ぜたランペイジ・ボア
の肉に満足したのかその頭を撫でていると・・・
「そろそろ朝ご飯にしないかリン?」
そう言いながら二歳となる我が子を抱いた夫のショウにリンからクスクスと笑われたのだ。
「はいはい・・・それじゃあ私がスープを温めている間に寝ぼけ助を起こしてきてくれるかしら?」
そう言いながら朝ご飯の準備へとCASCADEの店内へと戻るリンに了解♪と答えたシロは子犬の姿で二階へと駆け上がるとス―ス―と寝息を立てているシホのベッドの上に乗った。
『ちょっとシホ!もう朝ご飯の時間だよ?』
そんなシロの念話に加え・・・ワウワウと聞こえて来る鳴き声にシホは目を覚ました・・・
「ううん・・・シロ五月蠅い!」
そう言いながら布団を被り出す自分の主人にまったくもう・・・と呆れたシロが元のウルフの姿に戻るとその布団を噛みながらひっぺ替えしたのだ。
『さあ起きた起きた!』
「分かったって・・・」
昨日の疲れも有るのかそう言いながら目を擦ったシホはそう急かすシロと共に義理の両親が待つ一階の店舗スペースへと降りて行った。
「おはよう。父さんに母さん・・・」
朝が弱いのか・・・血の繋がって無い夫で有るショウと同じ様にテンションの低いシホに向かってリンはクスクスと微笑んだ。
「今日はどうする・・・コーヒーで良い?」
「いや・・・何か頭が回ってないから甘いのが欲しいかな。」
家族として暮らし始めて約二年・・・やっと甘える様になって来たシホに分かった。とリンが嬉しそうにホットミルクを用意すると、その様子に何故かショウからハァ・・・と深い溜息がつかれたのだ・・・
「こんな風景を見るのも後わずか・・・ホントに行くのかシホ?」
そう訊いて来る義理の父で有るショウの声にシホは困った顔を浮かべた・・・
「うん・・・せっかく推薦状を貰ったし私頑張ってみようと思う!」
そう決意する自分の娘にショウとリンが頭を抱える中・・・フフッと彼女の従魔で有るシロから笑みが浮かんだので有った。
ーーー
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