4人が本棚に入れています
本棚に追加
そして同じ頃・・・この学園のOGで有るマリア=ノワール女子爵は側近で侍女のリーエと共に理事長のアンジェリナが居る研究棟を訪れていた。
「お久しぶりです理事長・・・相変わらずお忙しそうですね。」
常に魔法の事を探求し続けているアンジェリナの机に溜まった書類の束にマリアから苦笑いが浮ぶと、まあな・・・と答えたアンジェリナは書いていた書類の手を止めると一息つく様にう~ん・・・と腕を伸ばした。
「そう言えばお前には礼を言わないとな・・・お陰で平民クラスの応募が例年よりも三割増しとの事だ。」
「そんなの当たり前です。平民でも知識さえ有ればそこらのボンクラ貴族よりも財産になる・・・だったらそんな彼らを優遇する様にワタクシが支援しただけですわ?」
そうニコニコと答えるマリアにホントに大胆な考えをもつ奴だな・・・と試験にクリアした平民クラスへの援助を申し出ているマリアからアンジェリナにクスっと笑みが浮かんだので有る。
「では今後も我が学園の援助をお願いしたいのだが・・・ノワール子爵」
「勿論ですわ。アンジェリナ理事長・・・?」
そんな二人の対話を聞きながらマリアに付いて来た侍女のリーエがちょっと待って下さい?とストップを掛けた。
「例の彼はどうするんです?」
「そう言えばそうだったな・・・向こうとは受け入れを許諾したが、私の甥っ子は合格したのか?」
二年前のアメリアの時もそうだが・・・マリアとリーエはホントに人への関心が無いなこの人・・・と頭を抱えたのだ・・・
「ええ・・・合格はした様ですが、トップでは無い様です。」
そう言いながら答えるリーエにアンジェリナがそうなのか・・・と思案顔を浮べてると・・・そんな三人が居る塔の目の前に赤い魔法陣が展開したので有る。
「成程・・・確かに私の血を繋いでる様だな?」
そう感心するアンジェリナに向かってそんな呑気な事を言ってる場合ですか!?と慌てたマリアは赤い薔薇を装飾されたワンドを振りながらフレイムフォール!と火属性の魔法障壁でこの塔全体を覆ったのだ・・・
ーーー
最初のコメントを投稿しよう!