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その後、騎士団の仕事をする為に出て行ったショウと一緒に母のリンが経営するCASCADEから出たシホは従魔のシロと一緒に向かいに有る自分達が所属している冒険者ギルドで有るスズランの扉を叩いていた。
「おはようございます!」
「おっはぁ~シホにシロ♪」
そんな眠たそうな顔で対応するギルド職員のアマナに向かってシホが苦笑いを浮べていると・・・アマナ!と恋人で同僚のエビナが彼女の頭を小突いたのだ・・・
「痛いなぁエビナ!」
「五月蝿い!良いから仕事をしろ・・・」
そうジロっと睨んで来るエビナに向かって分かったよう・・・と涙目で答えるアマナ達だが、これでも優秀なんだよな・・・?とシホは困った様に首を傾げた。
「何だ・・・随分と騒がしいな?」
そう言いながら二階から降りて来るステファニーの姿を見たシホはステフさん!?と慌て出した・・・
「タウトさんはどこに!?一人で階段なんか危ないじゃ無いですか!!」
そう怒るシホに心配しすぎだ・・・とお腹を大きくさせたステファニーが戸惑っていると、焦った様に叫んだタウトからステフ!と駈け寄って来たのだ。
「もう臨月なんだ・・・一人で出歩くなと医者から言われるだろ!」
「悪かった・・・」
そう本気で叱るタウトの姿にクロッカスの花騎士も形無しだな・・・と内心クスクスと笑ったシホが所で・・・?と今回呼ばれた事に首を傾げた。
「今日の呼び出しは一体何なんですかギルドマスター?」
前任のフェデリコが王国騎士団の団長に返り咲いた事も有りここスズランのギルドマスターとなったステファニーはそう訊いて来るシホに夫でサブマスターとなるタウトを見ながらコクっと頷いたのだ・・・
「良いかよく聞け・・・お前達は前回の討伐でランクが上がる事になる。」
「そう言えば・・・そんな事を言ってましたね。」
そう答えながらキョトンとするシホに向かって本当に分かっているのか!?と怒鳴るステファニーに代わって夫となるタウトから良いかい?と苦笑いが浮んだ。
「ステフが言いたいのは・・・君たちくらいの歳でCランクって結構異常だって事・・・・」
「そうなんですか・・・?」
そんな戸惑うシホにあのなあ・・・と答えたステファニーはやれやれと腕を組んだ。
「あのリンがSランクになるのも10年ちょっと掛ったんだぞ・・・そこにショウ達の教えが有ったとしても少し強すぎる。」
そこまで言った所でシホはシッと人差し指を立てるステファニーの真剣な顔にゴクッと息を飲んだ・・・
「良いかシホ?今から旅立つお前に寄り添おうとする悪いハエが絶対につく筈だ・・・だが、その中にもお前の役に立つ奴がいる筈だぞ?」
相変わらず言い方は無骨だが・・・ステファニーの言いたい事を分かったシホはコクっと頷いた。
「それと・・・一つ聞きたい聞きたい。お前達が討伐したゴブリンの群れは我がトリントン王国へと逃れて来たと言ったのか?」
「はい・・・私の従魔で有るシロが言うので間違いないと思います。」
ギルドマスターのステファニーは間違い無いわよ!とそう彼女の傍で頷く白いウルフに分かったわ・・・と思案顔を浮かべたので有る。
「取り合えずCランクのカードは明日にでも発行するから今日は帰って良いいぞ?」
「分かりました・・・」
何処か納得してないシホを見送ると、何だか嫌な予感がするな?とステファニーから言われたタウトはそうだな・・・と腕を組んだので有った。
ーーー
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