旅立ち

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「父上・・・私の息子で有るルーシーは良いとしましょう。ですが・・・娘のスージーまでエリス学園に行かせる必要が本当に有るのですか?」 「お前の言いたい事も分かる・・・このキーツ家の事を考えるのならスウはこのままここに置いて淑女教育を受けさせるべき何だろうが・・・」 そう抗議する息子のウィリアムに現当主で有る辺境伯のドラヴィスから困った顔が浮ぶと、やれやれ・・・と言った顔でウィルアムはいつもの様に中庭で剣を交える双子の子供達に頭を抱えたので有った。 ーーー 「ねえお兄様・・・確かシホ姉さまが来るのは今日でしたわよね?」 魔法を使うのは苦手だが自身へにマナを流す事で身体強化が得意なスウによるレイピアの打突を剣技は劣るが得意な魔法でルウが剣に纏った風魔法で撃ち流していた・・・ 「ああそうだな・・・時間的にもう来てる筈だけどね。」 そんな実戦さながらの激しい撃ち合いの最中・・・ルウにスウ!と自分達の名を呼ぶ懐かしい声に二人はサッと振り向きながら駆け出した。 「久しぶりねシホ姉さま!」 「会いたかったよシホ姉・・・」 そう言いながらギョッと抱きついて来るスウとルウにシホからうわっと!?驚く声が上った・・・ 「いや・・・相変わらずシホ様の事が大好きですねお二人は?」 そんなシーラからアハハ・・・苦笑いが浮ぶのを見ながらシホはムスっとジッと睨んだ。 『早く謝った方が良いぞシーラ・・・コイツは怒ると面倒だからな?』 「ちょっと待ちなさい!アンタも同罪なんだからねシロ!?」 そう言いながら何で私までっ!?と逃げるシロを追いかけるシホが怒るのも無理は無い・・・二年前に起きたトリントン王国とエリス王国の間で起きた魔人絡みの話をこの双子に話したのはシーラでその間には餌付けしているシロが関わっているからだ・・・ 『それはシーラが少し誇張してアイツらに話したのが悪くて・・・』 「そもそもアンタが餌に釣られて話したのが悪いんでしょうが!!」 そんなシーラの話に感化されたのも有るが・・・雷鳴と言われる祖父とクロッカスの花騎士と呼ばれる叔母を持つスージーとルーシーの二人はシホに秘密にしている事が有る。 「「そろそろ行きましょうかシホ姉さま?」」 流石は双子と言うべきか・・・そう揃って訊いて来る二人にそうね・・・と答えたシホはシロとの追いかけっこを止めたのだ・・・ 「それでは私は旦那様達を・・・」 そう言いながら二人の侍女で有るシーラが屋敷に戻るのを見届けた二人はゆっくりとシホの前で膝をついたのだ・・・ 「今日この日より我々姉弟はシホ姉様の騎士となります。」 そう言いながら自分達の剣を渡して来る二人になんでこうなった・・・?と内心考えたシホは思案顔を浮べたので有った。
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