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「おい見ろよ。どこの貴族様かは知らないが・・・命乞いか?」
「まだガキだって言うのに可哀そうにな・・・ククっ!」
そんな二人をただの子供だと思っていた山賊達はすぐにギョッとする事になった・・・
「初めまして・・・私はスージー=キーツ」
「僕はルーシー=キーツ・・・この辺りを統治している雷鳴ドラヴィスの孫で有る。」
そう自己紹介する双子に心配そうなシホはシーラさん!と二人の侍女の肩を揺すったのだ・・・
「あのまま交渉させててホントに良いんですか!?」
「良いと思いますよ。何せ・・・あの方のお孫さんですからね?」
何故かまったく心配している様子の無いシーラにまったくもう!と怒ったシホはいつでも対処が出来る様に仲間のセイとツキにいつでも二人のサポートが出来る様に目配せした。
「それで・・・そのお孫さん達が俺達に何か用かい?」
「簡単な事です。そこの邪魔なものを退けてワタクシ達の馬車を通して欲しいのですが・・・」
そう答えながら首を少し傾げるスージーに向かってそうだな・・・と山賊の一人が無粋な目でスウの足下から上までを舐める様に眺めた・・・
「コイツは金になるな・・・」
そうボソッと呟いた山賊の一人がスージーを捕まえようと手を伸ばした瞬間・・・妹に触れるな!と声を上げたルーシーがその山賊を火魔法で火だるまにすると・・・魔法だとっ!?と叫ぶもう一人の山賊はうるさいですわ!と怒るスージーのレイピアによって胸を貫かれ絶命した。
「もう・・・せっかく穏便に解決しようと思ったのにお兄様の所為で台無しです!」
「バカかお前は・・・今のどこに穏便な解決策が有ったと言うんだ!?」
目の前に死体が転がっているにも関わらす兄妹喧嘩を始める二人に・・・だから言ったでしょう?とシーラから苦笑いが浮ぶと、山賊退治に変更するよ!とシホは呆れた顔でセイとツキに指示を飛ばしたので有った・・・
ーーー
あの後、この近くに有る宿場町に泊まる事にしたシホは前も寄った事が有るギルドの出張所に顔を出したのだ。
「本当にお前さん達があの山賊共を!?」
そう驚く所長さんにこれでどう・・・?とシホが適当に拾った山賊達の装備品をテーブルの上に置いた。
「これは依頼に有った盗品の一つだな・・スマンが念の為にお嬢ちゃん達の冒険者カードを見せて貰って良いかい?」
自分達が子供なのか慎重な所長にこれで良い?とシホが仲間達全員の冒険者カードを提示すると、コイツは驚いた・・・とギョッとした所長はシホ達に向かって慌てて頭を下げたので有る。
「まさかその年でCランクとは・・・それで本来ならここでドンと報奨金を渡したい所なんだが、こんな田舎の出張所ではちょっと時間がかかるんだ?」
そんな困った顔を向ける出張所の所長さんにシホはそれなら・・・と同じ領地に住む双子に向かってニヤっと笑みを浮かべた。
「
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