プロローグ

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プロローグ

「ソッチに行ったよ!お兄ちゃん!?」 そう叫ぶ前衛で有るショートソード使いにセイに向かって弓使いのツキが詠唱を始めると近くの木に潜んでいた私はゴクッと息を飲んだ。 「行くぞ・・・ウィンドスラッシュ!!」 そんな兄のセイに続き・・・妹のツキがファイヤーアロー!と火の矢で撃ち漏らした魔物に止めを刺したのだ。 「大丈夫・・・皆?」 急に襲って来たゴブリンに私は仲間のセイと共にグッと親指を立てた・・・ 「良し・・・このまま倒すよ二人共!」 そう気合いを入れる自分・・・シホ=ローダンセに向かってちょっと待ちなさいシホ!と従魔で有る白いウルフがグルル・・・と唸りながら近寄って来たのだ・・・ 「どうしたかしたの・・・シロ?」 『森の奥からまだ来るわ・・・警戒して!』 そんなシロからの注意に警戒したシホは弓を構えながらねえシロ・・・と抗議の声を上げた。 「この辺りの魔物ってアンタが仕切ってるんだよね・・・?」 『正確に言うと私の弟がだった、だけど・・・その事を知らないって事はよそ者みたいだよ!』 そんなシホに答える様に彼女の従魔で有るシロが武器を構え迫って来るゴブリンの集団に向かってアオーン・・・と吠えたのだ。 『ここいらは私らのテリトリーだ。これ以上先に進もうって言うのなら・・・私達にも考えが有るよ!』 『ちょっと待った・・・俺達も無駄な血を流したくないんだ!?」 攻め込んで来たゴブリンの群れの中からリーダーが出て来るのを見てシロは話を聞こうか・・・と彼?の前にお座りした。 『済まねえ・・・だけどコッチに来たら俺達みたいな流れの魔物を受け入れてくれる国が有るって聞いてよ・・・』 『確かに間違っては無いけど・・・どう思うシホは?』 そんな自分の従魔から同時通訳で聞いていたシホからそうだな・・・と思案顔を浮べながら腕を組んだ・・・ 「取り合えずそのゴブリン達はアンタが縄張りにしているゴブリンの村に紹介して貰って良い?ギルドには私から事情を説明しとくからさ。」 『仕方無いわね・・・それじゃあ行くわよ!』 そう指示を出す自分に少し反抗しながらゴブリン達を連れていくツンデレの従魔を見送ったシホは帰ろっか?とパーティメンバーのセイとツキを連れ添い日が暮れそうな王都トリントン王国の城門へと急いだので有った。
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