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V
ホストは急に割り込んできた僕にメンチを切る。
「誰だお前」
「あなたには関係ないです。清水さん、お金が必要なんですよね」
「それは......そうだが」
先輩は明らかに弱っていた。僕の登場に困惑しているといった風だった。
「おいおい、本当にお前が払うってんなら良いが払わないならーー」
「だから払います。はい、500万円。ここで領収書きって受け取ってください」
僕が鞄の中の500万円を見せると、男はくるりと態度を変えた。
「払ってくれるなら、なんでも良いぜ！」
＊
ホストが帰った後、先輩は意味がわからないと言った顔で僕を見た。
「宮木......何を......」
「先輩は僕に500万円分の借りがありますね」
僕はかねてからの懸念をどうにかするチャンスだと思った。先輩は長いまつ毛を下にして僕に謝る。
「すまない。少し時間はかかるが必ず返す」
「いえ、返さなくて構いません」
「は？」
「この500万円分の借りで、半年間、僕の恋人役をしてくれませんか？」
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