VI

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VI

 僕達の契約は、こうなった。 《一、僕の恋人として恋人とはなんたるかを教えること》 《二、期間は一年間。雨が降っているとき限定であること》 《三、恋人としての主導権は僕にあること》  結果的にここに落ち着いたのは、先輩からの以下の提案からだった。 「一つだけ、条件がある」 「なんでしょう」 「その契約は雨が降っているとき限定にして欲しい。その代わり期間は倍にして良い」  僕は、その理由はよくわからなかったけれど、特に問題には感じなかったので受け入れた。  かくして僕は、期間限定ではあるが、清水さんという美しい恋人を手に入れたのである。
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